股関節の痛み
股関節痛
足の付け根が痛いと感じたことはありませんか?
歩き始めが痛い、かがむと痛い、階段の上り下りの際に痛いなど症状は多岐に渡ります。股関節痛の原因は様々で、それに伴っていろいろな症状が現れます。
関節痛の原因
- 変形性股関節症
- 大腿骨頭壊死
- 大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)
- 大腿骨頸部骨折、恥骨坐骨骨折
- 剥離骨折
- ペルテス病
- 単純性股関節炎
- 化膿性股関節炎
変形性股関節症
股関節の軟骨がすり減ってきて大腿骨と骨盤側の骨同士がぶつかり、炎症を起こし痛みが発生します。加齢や先天的な形態の異常、過去の怪我が原因となることもあります。50歳以上のかたに診られることが多いです。歩行時や階段の上り下りの際に痛みがでます。
大腿骨頭壊死
大腿骨頭の1部が血流の低下により骨組織が死んでしまいます。壊死した部位が潰されることにより痛みが発生します。原因は、別の疾患でステロイドを投与されている場合、飲酒、膠原病などが原因になりますが、原因不明のことも多いです。
大腿骨寛骨臼インピンジメント(FAI)
股関節を動かした際の大腿骨(股関節の太もも側の骨)と寛骨臼(股関節の骨盤側の骨)のぶつかりを意味します。そのため股関節を動かした時、しゃがんだときなどに痛みがでます。
大腿骨頸部骨折、恥骨坐骨骨折
転倒し股関節を打った場合は、骨折している可能性があります。骨密度が低下している高齢者では要注意です。骨折してしまった場合は股関節の痛みで歩行できないことが多く、入院して手術加療が必要になることがほとんどです。治療後の歩行は骨折前まで戻らないケースが半数近くあるといわれています。骨折しないように骨粗鬆症の治療を行っておくことも大事です。
剥離骨折
繰り返し同じ動作を繰り返すことで筋肉がついている骨が剥離骨折します。特にスポーツ活動が原因となることがあります。
ペルテス病
4~9歳くらいの子供に起こります。男女比は4:1で元気で活発な子に見られます。ペルテス病は大腿骨頭の血の循環が悪くなることで、骨が弱い状態となりつぶれて変形してきます。症状として股関節の痛みが多いですが、大腿部や膝の痛みを訴える場合もあり注意が必要です。また、痛みを訴えない場合もあり、足をひきずっているなどの症状で発見されるケースもあります。
単純性股関節炎
主に10歳以下の小児に発症します。股関節や大腿部に痛みを感じ、跛行(足を引きずる歩き方)が見られます。一過性のものであり多くは1~2週間で自然と軽快します。原因ははっきりとしていませんがウイルス性の風邪を引いた後に発症することがあるようです。
化膿性股関節炎
細菌感染により引き起こされる疾患です。主に乳幼児に起こり、迅速な診断と治療が必要な状態です。激しい股関節の痛みで足が麻痺したように動かせませなくなり、38度以上の発熱を伴います。手術や抗生剤投与が必要になります。
診断
問診に応じた診察と画像診断を用います。
股関節痛が続く場合はCTやMRIを近隣の病院での撮影をお願いします。
また、エコー検査で股関節に水がたまっていないかを検査できます。
治療方法
股関節痛の治療方法は年齢、疾患、病状、進行状況によって変わってきます。
日常生活や内服、注射などの「保存療法」と人工股関節置換術などの「手術療法」に分けられます。
保存療法
状態を確認しながら保存療法を行います。
- 薬;鎮痛剤の内服や湿布など外用薬を用います。
- リハビリ;筋肉のリラクゼーション、血行改善などの電気刺激治療などの物理療法を行います。また、理学療法士による筋力訓練やストレッチを通じて柔軟性を高め、疼痛の軽減を目指します。股関節だけでなく、骨盤や脊椎の柔軟性も向上させます。
- 注射;局所麻酔薬の股関節内への注射
手術療法
保存療法で改善されない場合は手術療法を提案させていただくことがあります。
大腿骨頸部骨折、大腿骨転子部骨折では入院、手術が必要になることが大半ですので救急病院等紹介させていただきます。