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腰痛

令和4年厚生省が行なった国民生活基礎調査では、腰痛は自覚症状において男女ともに1位でした。日本整形外科学会の報告では日本全国に約3000万人いると推計されています。
実に80%の人が一生のうちに一度は腰痛を経験すると言われ、まさに「国民病」といえる疾患です。

原因

腰痛のうち画像所見や検査などで原因が特定できるものを「特異的腰痛」、原因が特定できないものを「非特異的腰痛」と呼びます。特異的腰痛は約15%程度と言われています。

特異的腰痛

背骨の圧迫骨折、化膿性脊椎炎、癌の骨転移、内臓の病気、神経性(脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニアなど)、免疫性(関節リウマチなど)に分類されます。

脊柱管狭窄症

腰椎椎間板ヘルニア

非特異的腰痛

いわゆる腰痛であり、「ぎっくり腰」もここに含まれます。痛みの原因は筋肉や椎間関節にあると考えます。特定するのは難しい場合が多いですが、長時間同じ姿勢での作業や重い物を持つことにより筋肉、関節に負担がかかり腰痛を発生することがあります。また、過度なストレスなどによる心因的な腰痛もあります。

診断

診断は患者さんの症状に基づく診察と画像診断を通じて行なわれます。重篤な疾患の兆候が認められる場合、いわゆる「レッドフラッグサイン」をチェックし、特異的腰痛の可能性が高いと判断されます。重大な病気を疑う場合は近隣病院への紹介が必要となります。
非特異的腰痛については特定の診断サインはありません。除外診断を行いながら原因を絞り込んでいきます。

治療

腰痛の軽減、仕事、スポーツ可能な状態を目指します。
治療の基本は「薬物療法」+「リハビリ」です。

各治療

内服

急な腰痛には非ステロイド性抗炎症薬で炎症を抑えます。
神経が原因となる腰痛(例:腰部脊柱管狭窄症やヘルニアなど)には血流改善薬やビタミン剤、神経障害性疼痛用の鎮痛剤の内服を行ないます。また、慢性的な腰痛にはデュロキセチンと呼ばれる抗うつ薬を鎮痛剤として使用することもあります。

外用

湿布や塗り薬で皮膚から鎮痛成分を吸収させます。

装具

コルセットを用います。コルセットの効果として、腰の安定化、姿勢の改善、不安の除去が期待できます。しかし、漫然と装着すると筋力の低下を招くこともあります。適度な運動を取り入れることも大事です。

注射

筋肉や筋膜が原因の場合、エコーを見ながら痛みの出る部位に局所麻酔薬を投与します(筋膜リリース)。脊椎の関節が原因の場合は椎間関節への注射を行ないます。

理学療法

理学療法士により行なわれます。固くなっている筋肉をほぐし、筋肉の血流改善、可動性の獲得を目指します。また、腰以外の関節の柔軟性なども評価し必要に応じてストレッチや運動療法の指導を行います。

物理療法

ホットパック、電気療法、ウォーターベッドにより局部を温め刺激を与えることで痛みを緩和します。

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